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さて、以上、継体天皇から現在にいたる越前平野の水利の歴史を簡単に振り返ってみました。

永平寺や平泉寺、一乗谷の朝倉氏、柴田勝家の北の庄、そして、幕末の日本でも重要な役割を果たした福井藩松平家・・・。越前は日本史においても重厚な文化に彩られています。北の地にありながらこの平野の歴史の豊かさは、紛れもなく土地の豊かさがもたらしたものでしょう。土地の豊かさは、つまるところ水路という資産の豊かさにつきると言っても過言ではありません。

現在の越前平野も様々な営農が展開され、多くの農産物が、生産量や品質において日本のトップクラスを占めています。

そして、さらにこの豊かな農業を生み出してきた水利資産は近代化され、より地域の発展に寄与することが期待されています。

ここで紹介したいくつかの用水はパイプライン化によって地中に姿を消します。いくら見えなくなっても、決してこの水路の歴史が無くなったわけではありません。先人が命がけで築き、千年にわたって守り抜いてきたこれらの用水は、比喩ではなく、「土地の血管」として今後も、この越前平野に計り知れない恩恵をもたらせてくれるでしょう。

私たちは、そのことを次世代に語り継いでいく義務があるのではないでしょうか。越前平野が未来永劫、生きた土地であるために。緑豊かな平野であるために。





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