わが国の風土と国土

 モンスーン帯に位置し、山が急峻で、平地が少ない日本列島。かつては照葉樹林とブナ・ナラなどの林におおわれていた。2千数百年前、ここに稲作が伝播し、数世紀を経て全角各地に広がっていった。それから稲作を中心とする国土づくりがはじまり、明治のころまで稲作が社会の基本ともいえる時代が続いた。
 人々は森林を拓き、水を引き、水田や畑で農業を営み、むらをつくり、さらには都市を発展させた。稲作文化とその風土は、人々に勤勉の気風をはぐくみ、農地の拡張は人口の増加を生み、これらのことが現在の繁栄の基礎となった。