水がつくる国土と社会

 稲作社会であるわが国は、さまざまな形で水を利用して国土づくりを行ってきた。まず、河川に井堰を設けて水位を高め田圃に水を引き、さらに水が不足する所では溜池やクリークを利用して稲作を行った。施設を通じた水の配分は人々の間にルールを生み、水で結ばれた社会が形づくられた。稲作と農業用水は、水の利用を通じて地域社会に大きく関わり、国土・文化・習慣をつくった。